近年、認知度が上がって人気になっている「世界遺産検定」というのをご存知でしょうか?
数ある資格の中でも海外旅行や国内旅行が好きな方には特にオススメの資格です。
世界遺産検定とは?
世界遺産検定とは、NPO法人世界遺産アカデミーが主催する検定試験のこと。現在は文部科学省の後援事業となっています。
具体的な内容は世界遺産活動の目的である国際的な相互理解や平和理念、世界遺産登録の条件など、世界遺産を基礎から学ぶというもの。
「世界遺産保全の草の根ネットワーク」が広がることが目的とされており、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に尽くす人材の育成を目指した検定です。
受検者は30万人以上
第1回が開催された2006年から、現在では30万人超が受検し19万人以上が認定されています。
検定は年に4回開催され、下は小学生〜上は90代まで幅広い年代の方々が挑戦されています。
受検料は世界遺産基金に寄付される
実はあまり知られていませんが、受検料の一部はパリユネスコ本部のユネスコ世界遺産センター(WHC)が窓口となる世界遺産基金(World Heritage Fund)に寄付され、世界遺産保全活動に活用されています。
そう思うと世界遺産を愛する人なら払い甲斐があるのではないでしょうか。
世界遺産基金に寄付するという目的で、受検するのもアリかもしれません。
世界遺産から学べること
「自然と人間の共生」を学ぶ
世界遺産について学ぶと、世界各地の文化や歴史、自然環境を身近に感じることができ、「自然と人間の共生」を学ぶことにつながります。
「自然と人間の共生」を学ぶことで「持続可能な発展(Sustainable Development)」に取り組むことにもつながるので、これからの時代はますます重要視されてくることになるでしょう。
自分たちの将来はもちろん、子どもたちや孫たちに夏のいい思い出を作りたいなら、または夏に屋外に出られる世の中でいたいなら、環境のために今できることは何なのか。
学校教育としてではなく自分たちのためにも、学ぶ必要があるのではないかと思います。
日本人としてのアイデンティティの形成
日本の文化や歴史、自然環境の特色を知ることは、日本人としてのアイデンティティを持つことにもつながります。
日本人なのにお寺や歴史的建造物については実はよく知らない、または観光で来ている外国人の方が日本文化について良く知っている、ということはありませんか?
日本にも誇るべき素晴らしい世界遺産が数多くあるので、海外の人に説明できるくらいは知識を持っていたいですよね。
観光地における世界遺産の問題
2022年現在、世界遺産は1,154件登録されており、そのほとんどが有名な観光地となっています。
しかし一方、自然災害、密猟、内戦、経済開発等と並んで観光圧力により危機遺産リストに登録される遺産も後を絶ちません。
世界遺産としての価値が失われる恐れのある遺産は「危機にさらされている世界遺産リスト(通称:危機遺産リスト)」に登録され、その遺産の保有国は事態の改善に全力を挙げなければならなりません。
負の遺産を知る
「負の世界遺産」とは、世界遺産のうち、人類が犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなる遺産を指します。
例えば、1996年に日本の世界文化遺産として登録された「広島平和記念碑(原爆ドーム)」。日本人であれば決して忘れてはならない遺産で、核兵器の廃絶と世界平和の大切さを訴える記念碑です。
そして、1979年にポーランドの世界文化遺産として登録された「アウシュビッツ・ビルケナウ:ナチスドイツの強制絶滅収容所」。この遺産は、人類の狂気として人々の記憶に刻み込まれているナチスのユダヤ人大量虐殺の舞台となった場所です。
どちらも、第2次世界大戦中に人類が犯した大きな過ちを現代に伝える「負の世界遺産」として世界的にも、よく知られています。
世界遺産検定の資格を持っているとどうなる?
進学や就活・ビジネスに役立つ
世界遺産の勉強は歴史と地理を横断して学ぶことができるので進学に役立つのはもちろん、グローバルな観点を持っていることのアピール材料となり就活・ビジネスでも役立つものとなっています。
中でも観光、エアライン、商社、マスコミ、文化・教育機関、海外拠点のあるメーカー、国際機関などは、世界遺産検定の取得が強みになる業界だと言われています。
世界遺産検定を社内推奨資格として採用している企業▼
・JTBグループ
・KNT-CTホールディングスグループ
・阪急交通社
・日本旅行
話のネタに困らない
超マニアックな分野とは違って「世界遺産」というものは誰にでも共通して認識されているものなので、他の人よりも少しでも知識が多いと話のネタにつきることはありません。
雑学も豊富になって「あの人はなんでも良く知っている」または「一般教養が高い人」などと、周囲の人たちからも一目置かれるようになるかもしれません。
旅行が楽しくなる
旅先で世界遺産を見る時に、ただ見るだけなのと、その国の文化と歴史を知ってから見学するのとでは感じ方が大きく変わってきます。
また、自分が感動した建築物の良さを伝えるにしても、知識がなければ見た目を語ることしかできません。
でもその建築物がなぜ世界遺産に登録されているのかを学び、歴史や文化の面からも魅力を理解していれば自分の言葉にも深みが増すはずです。
世界遺産を通じて広い世界に触れることで、人生がより豊かになるのではないでしょうか。
認定者特典で観光地で優遇されることがある
世界遺産検定の認定証を提示すると、料金の割引や記念品が贈呈されるなどの優遇をうけられるようになります。
一部の施設に限られていますが「目に見えるご褒美」という感じで、資格保持者にとってこれは嬉しいポイントではないでしょうか。
芸能人や著名人も持っている
世界遺産検定を取得した芸能人は意外と多いです。旅関連のお仕事や、テレビ番組を通して世界遺産に興味をもったのがきっかけという方も多いのではないのでしょうか。
年々受検者は増えているので、おそらくこれからもどんどん増えるのではないかと思われます。
主な著名人
青木裕子、あけひとみ、あばれる君、Snow Man 阿部亮平、磯山さやか、岩永徹也、ツインタワー オオニシ、加藤るみ、鎌田安里紗、城戸康裕、木下博勝、久保美智代、才木玲佳、スザンヌ、鈴木亮平、瀬戸カトリーヌ、チャド・マレーン、中山卓也、畠山検定、ザ・ニュースペーパー 福本ヒデ、藤井沙央理、本田直之、ハイキングウォーキング 松田洋昌、村井美樹、本村健太郎、山田わたる
世界遺産を知ることでコミュニケーションにも役立つ
世界遺産に興味を持つ人というのは意外と多いのでコミュニケーションをとるきっかけとして役立つ場面があります。
旅先で出会ったあまり良く知らない人とでも世界遺産の話をすると、とても盛り上がって気づけば朝まで語っていたなんてことも…。
また、日本の遺産を学ぶことで「日本の魅力」を改めて見直すきっかけになるし、海外から観光に来ている人に対しても日本の素晴らしいところをアピールするチャンスにもなります。
世界遺産は人類共通のたからものなので、知っていて損することは一つもありません。
勉強方法はオンラインがおすすめ
世界遺産検定は、最上級の「マイスター」になると論述問題が出題されますが、他の階級(1級~4級)はマークシート方式の選択問題(4肢択一)として出題されます。
勉強方法としては、オンラインで通勤電車やスキマ時間を利用する方法がおすすめです。
インターネット環境さえあれば、スマートフォン、パソコン、タブレットで受講可能もなりますよ。
やるからには効率よく勉強して、最短での合格を目指しましょう。